医療におけるカンファレンスの本質

医療現場では、医師や看護師、薬剤師などが話し合うカンファレンスが行われる。しかし、カンファレンスに参加しても、何を発言すればいいのか悩む看護師も少なくないようだ。医師は看護師や薬剤師に比べて医学的な知識が格段に多いが、看護師はそうではない。そのため、カンファレンスでは積極的な発言を控えてしまうのかもしれない。

しかし、そのような考え方は、カンファレンスの本来の趣旨に反していると言えるだろう。カンファレンスに医師や看護師、薬剤師などが参加するのは、多角的な方向から意見を聞くためだ。医師には医療の知識があるように、患者に近い立場にいる看護師には、看護師ならではの視点があるはずだ。また、薬剤師には医薬への専門知識があるので、それぞれが自らの立場で率直な意見を述べ合うことがカンファレンスの本質なのだ。したがって、カンファレンスにおいて医師ばかりが発言するようになってしまっては、多角的な視点が失われる可能性がある。ゆえに、医学的知識に自信がなくても、看護師や薬剤師も意見を述べるべきなのだ。

ちなみに、カンファレンスは、必ずしも患者のためにだけ開かれるものではない。時にはチーム内で知識を共有したり、医療スタッフの精神的なダメージを緩和するためにも実施されることがある。特に看護師は患者との距離が近いため、患者が亡くなったときには大きな精神的ダメージを受けるため、そういった時にはデスカンファレンスが実施され、看護師自身がケアを受けることもあるのだ。したがって、カンファレンスは医師だけが発言する場ではないということを知っておいてほしい。