連携がものをいうチーム医療のポイント

患者に関する情報共有のため、医療現場ではチームワークが欠かせない。そのため、看護師の連携が強化されて、チームナーシングを採用する医療機関が増えてきた。チームナーシングとは、従来のように1人の患者を1人の看護師がケアする体制ではなく、1人の患者を複数の看護師がケアするシステムのことをいう。チームナーシングは、ベテラン看護師がリーダーシップをとり、経験の浅い看護師を指導しながら患者の重要な情報を共有する形態が採用されており、1人の看護師にかかる負担が軽減されるという魅力がある。ただし、看護師が頻繁に交代するので、看護師間の情報共有が徹底されないと、引継ぎが上手くいかず、患者が不信感を抱く可能性もあるため、注意しなければならない。特に、患者の容態に変化があった場合は、チーム内での情報共有は必須だ。申し送りや引継ぎの機会には、漏れずに報告する必要がある。

また、医師と看護師のチームワークもとても重要になる。救急救命室や集中治療室などは、特に医師と看護師の連携が欠かせない。生死の境目にいる重篤な患者の救命のため、看護師は医師の指示に従って迅速に処置を行わなければならないからだ。さらに、医師の負担を減らすために、看護師も自主的な判断が求められることもある。その際には、医師と看護師の信頼関係が鍵になるのだ。

ちなみに、多くの診療科を抱える大病院では、投薬についても医師と看護師、薬剤師の間でも連携が求められる。そして、こうした連携システムを強化するために、カンファレンスが開かれる。したがって、参加者が限定されない場合は、医療職は職種を問わず積極的にカンファレンスに参加したほうが好ましい。